ガンプラにサーフェイサーはいらない?効果と種類を解説
この記事の目次
「サーフェイサーってどんな意味があるの?」
「サーフェイサーって絶対行わなければいけないの?」
プラモにかぎらず、塗料を密着させるためには下地の処理は必須の工程。
しかし、下地処理をする中でサーフェイサーは本当に必要なのかと疑問に思う人も多いはず。
今回は、ガンプラにおけるサーフェイサーとはなんなのか、効果と使い方について解説します。
サーフェイサーってそもそも何?ガンプラに吹いたときの効果
サーフェイサーとは、結論から言えば薄いパテのような物をイメージすると良いでしょう。
そのため、パテであると考えるとサーフェイサーは様々な効果を持っています。
それでは、各項目ごとに解説します。
細かいキズ消し
サーフェイサーの効果として、細かい傷を消すことが出来るというのも大きなポイントです。
サーフェイサーは簡単に言えば「パテの粒子」を噴射して表面を整えるもの。そのため、粒子の大きい顔料が使う事によって、パーツ表面の細かいキズを埋める事ができるようになるのです。
また、サーフェイサーの種類・品番によっては、粒子の細かさを表す番手が表記されているものがあります。
番手の種類
- 500
- 1000
- 1200
- 1500
- 500>1000>1200>1500
この数値が高くなればなるほどサーフェイサーのキメは細かくなるのです。
「どのくらいの傷を消すのか」「表面の仕上がりはどのくらいを求めるのか」、この辺りを意識してサーフェイサーを使い分けると仕上がりも大きく変わってくるでしょう。
塗料の食い付きを良くする
サーフェイサーで塗装を行った後は、プラスチックパーツの時とは違い表面にサーフェイサーによる塗膜が形成されている状態になります。
そのため、塗装を行ったあとにはプラスチックパーツのように表面に油分が残っているということが無くなり、目では確認できませんが細かく凸凹した状態になっているため塗装の食いつきが良くなるのです。
また、サーフェイサーの中には、プライマーという成分を配合し、定着力を高めた「プライマーサーフェイサー」と呼ばれる商品も存在します。
プライマーによって、「レジンパーツ」や「エッジングパーツ」など、塗装を弾いてしまうため塗るのが難しいと言われている素材への塗装にも対応ができるようになるのです。
色を統一させる・パーツの透けを無くす
サーフェイサーの最大の特徴として、「パーツの透け感」を無くして色を統一させるという効果が挙げられます。
一般的に、プラスチックといえば安っぽい素材の代表格。どんな高級品であったとしても、プラスチックを使っている部分があると途端に安っぽく見えてしまいますよね。
そのため、プラスチックの素材感を消すことで、プラモデル特有の安っぽさを無くして素材の質感を変えているかのように見せることが可能なのです。
細かいキズとその形状確認がしやすくなる
サーフェイサーは基本的には「明るい灰色」のものが多く販売されています。理由としては、不透明のライトグレーで塗ることで、パーツの陰影がしっかり浮き出るようになるため、目視で細かいキズや形状の確認がしやすくなるのです。
最近は、グレー以外のサーフェイサーもいくつか販売されていますが、色によっては「キズの確認がしにくい」ということもあるので注意が必要です。
ガンプラのサーフェイサーにはどのようなものがある?選ぶ基準と使用方法
先程、サーフェイサーには番手による種別がされていると解説しましたが、サーフェイサーの種類はそれだけではありません。番手に加えて「スプレータイプ」と「瓶タイプ」があるため、こちらも状況に応じて使い分けていくのが良いでしょう。
ここでは、サーフェイサーの種類の選び方と、具体的な使用方法について解説します。
サーフェイサーの選び方
サーフェイサーには「スプレー缶」と「瓶入り」の2種類が存在します。一般的には缶スプレーを使って塗装を行う人が多いですが、エアブラシを持っているのであれば瓶タイプを使って塗るのもいいでしょう。
エアブラシで塗装を行うことで、薄く均等にサーフェイサーを吹くことができるので、繊細なディテールが多いキットの下地処理には非常に便利です。
「エアブラシを持っていない」「エアブラシは苦手」という方は、スプレー缶で問題ないので、無理せずやりやすい方で行いましょう。
サーフェイサーの使用方法
ここでは、スプレータイプと瓶タイプのサーフェイサーについて、それぞれの使い方を解説します。
スプレータイプのサーフェイサーの使い方
缶スプレータイプのサーフェイサーは、その性質上保管しておくと中の塗料が固まってしまいます。
そのため、使用する前には必ず良く振って、中の塗料をかき混ぜる作業が必要です。
振るコツとしては、大きく腕を振るよりも手首のスナップを利かせて振ったほうが効率的に撹拌することができます。最初だけ振るのではなく、吹き付けていない空き時間などにもこまめに振って撹拌をして下さい。
瓶タイプのサーフェイサー
瓶入りのサーフェイサーは、原液をそのまま使用することはできません。
使用する際は、うすめ液で稀釈して、それをエアブラシと塗装カップに入れ、ハンドピースで吹き付けることになります。
希釈度合いは、基本的には「1:1」で行うのが無難です。ただし、あまり薄めすぎると塗料の密着が弱くなるため、この点には注意が必要です。
ガンプラのサーフェイサーはどれを使えばいい?利用用途別おすすめサーフェイサー
最後に、ガンプラで使うのに便利なサーフェイサーを、その特徴ごとに紹介します。
サーフェイサーは、行いたい塗装の種類によって使い分けが必要です。
状況によって、最適なサーフェイサーを選ぶようにしましょう。
GSIクレオス Mr.サーフェイサー 1200
「GSIクレオス Mr.サーフェイサー 1200」は、数あるサーフェイサーの中でも比較的粒子が細かめの塗料になっているので、表面の発色をしっかりと抑えることに向いています。
上述した通り、番手は500~1500と様々ですが、この商品は最大の細かさではないため、隠蔽力も比較的高く保つことが可能です。
基本的には、サーフェイサーもやすりと同様に「粗いものから徐々に細かくしていく」ことが望ましいとされていますが、簡易な下地処理を行うというだけでとどめるのであればこれ一本で対応可能です。
Mr.フィニッシングサーフェイサー 1500ホワイト
下地の統一をしっかりと行いたいと考えている場合は、「Mr.フィニッシングサーフェイサー 1500ホワイト」を使用すると良いでしょう。
Mr.フィニッシングサーフェイサー 1500ホワイトは1500番の番手のサーフェイサーなので、比較的粒子が細かく表面をきれいに整える効果があります。
粒子の細かい塗料を使うことになるので、表面がしっかりと均一化されて見た目も質感も美しく仕上がるのです。
傷の隠蔽力は他の番手の物に比べてやや弱めなので、粗い番手のサーフェイサーで下地処理を行った後の仕上げとして使用すると良いでしょう。
Mr.サーフェイサー1500ブラック
メタリック塗装の下地に使う場合は、粒子が細かく隠蔽力を高く保つことが出来るようになる「Mr.フィニッシング・サーフェイサー1500 ブラック」がおすすめです。
メタリック塗料は表面がツルツルしているということもあり、プラスチックへの食い付きが通常よりも弱くなります。
そのため、まずはサーフェイサー塗装、その上にシルバーの塗装、最後にメタリック塗装という工程で行えば塗膜が強くなり剥がれにくく綺麗に仕上げることが可能です。
Mr.ベースホワイト1000
ゲート処理などでついた傷や凹みを隠しつつ、塗料の発色を綺麗にしたい場合は少し粒子が粗めの「Mr.ベースホワイト1000」がおすすめです。
番手が1000番と低くなっているため、1500番よりも補修効果が高く、過度に傷などがあるパーツはこちらの方を使用することでキレイに仕上げることが可能です。
まとめ
今回は、ガンプラにおけるサーフェイサーの役割、そしてその使い方とおすすめのサーフェイサーについて解説しました。
サーフェイサーによる下地処理は、塗装をする上ではあっても無くても問題ないとされています。しかし、サーフェイサーで綺麗に処理を行った方が美しく仕上がることも多いですし、メタリック塗装などの特殊な塗装には、サーフェイサーで下地を作るのは必須になります。
全くしないよりは、サーフェイサーをした方が綺麗に仕上がることが多いため、少しでもディティールにこだわりたいという方はサーフェイサーで下地処理を行うことをおすすめします。
是非この記事を参考にして、きれいに下地塗装を行って、塗装によどみのない美しいガンプラを作成してみてくださいね。