【300円!?】ガンプラの旧キットの魅力とは?
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1979年から放映が開始された『機動戦士ガンダム』ですが、ガンプラは早くもその翌年、1980年に登場しています。その当時はたった300円というガンプラでしたが、現在に至るまで、ガンダムは驚くほど進化するともに、リアリティーの追求から高級志向も進みました。また、初心者も手が出しやすいようにエントリーモデルのキットも増えるなどラインナップはますます増え、ガンプラの種類は数え切れないほどになっています。
最初にガンプラが登場して40年以上も経つ現在、実は、その最初のガンプラ(旧キット)が現在も購入できるのです。当時のラインナップが常にそろっているわけではありませんが、定期的に再販されているため通販サイトや家電量販店などをチェックすると見つかるかもしれませんよ。
300円のガンプラ、旧キットについて
ガンプラには有名な4つのシリーズがあります。HG(ハイグレード)、RG(リアルグレード)、MG(マスターグレード)、PG(パーフェクトグレード)の4つです。
これらのシリーズが登場する以前もガンプラはもちろん存在しました。それら1990年ごろより以前のガンプラのことを、現在のシリーズ分けに該当しない旧型のキットということで「旧キット」と呼ぶのが一般的です。
旧キットも今のガンプラの基本と同じく、そのスケールは1/144でした。1/144スケールのシリーズはもともとガンプラが最初ではなく、バンダイの「ベストメカコレクション」という、当時のロボットアニメや特撮作品に登場したメカやロボットを扱ったものが最初です。ガンプラもその一環として登場したため、最初のガンプラ(RX-78-2 ガンダム)は「ベストメカコレクションNo.4」という位置づけでした。
旧キットの魅力は300円程度というその安さです。もちろん40年以上も前の作品ですから、今のガンプラのように細かい部分まで色分けされていません。ガンダムの胴体も、赤、青、黄と3色に色分けされておらず、白1色です。そのため、ただ組み立てるだけでなく、多少なりともリアリティーを追求したい、もしくは、原作アニメに近づけたいのであれば、自分で塗装する必要がありました。
また、今のガンプラはパチパチと組み立てていくだけで接着剤なしで組み上げることができますが、当時はまだそんな技術がありませんでした。このガンプラ特有の組み立て技術のことを「スナップフィット」と言いますが、1980年代中盤までのガンプラはこの技術が導入される以前でしたので、接着剤で組み立てる必要があります。しかも、がんばって接着剤で組み立てても、可動部は今のガンプラと比べようもないほど少なく、可動域も狭いものでした。
今ガンプラの旧キットを買う理由
今のガンプラに慣れてしまった人にとって、旧キットの上記の特徴はデメリットとしか思えないかもしれません。しかし、それでも今、旧キットを買う理由はあります。
まず、価格が当時と同じ安さをキープしていることです。旧キットは再販されても当時から値上がりしていません。原材料費も人件費も40年前と今とでは大違いのはずなのに、いまだに当時の価格を維持しているなんて驚異としか言えないでしょう。当時と違って今では消費税がかかってしまいますが、それでも税抜き価格は当時のままなのです。初代ガンダムや旧ザクの場合、消費税込みでもわずか330円しかしません。
今でも当時の価格をキープする旧キットなら、プラモデル初心者の方にとっても気軽に練習台として使えるのではないでしょうか。また、安いだけでなく、旧キットはその構造上、改造がしやすくなっているのも特徴です。
今のガンプラは、可動式の内部フレームに外装を被せるように組み立てていきます。一方、旧キットの中身は空っぽです。そのため必要なパーツが少なく、デザインもまだ複雑化していないため一つ一つのパーツの平面部分が広くなっています。この特徴のおかげで、旧キットはパーツ同士の合わせ目消しや、パーツにエッジを出す面出しなどの練習にぴったりなのです。
また、内部フレームがないので幅を増したり、逆に幅を詰めたりといった改造も比較的容易ですね。パーツの数が少ないのですぐに完成しますし、失敗してももともとが安いのでそれほど懐も痛みません。同じキットを複数買って、失敗した時の予備パーツ用としても気軽に利用できますね。
今のガンプラにない旧キットの魅力
今のガンプラは非常に精巧で、初心者でも完成度の高い仕上がりになるように工夫されています。一方、旧キットの完成度はお世辞にも高いとは言えませんし、接着剤や塗装が必要なのもデメリットです。ただ、それでも旧キットには旧キットならではの魅力があります。
それは、人が手で引いた図面に従って、職人が手彫りや機械彫りを駆使しながら金型を作っている点です。今のようにデジタル技術を駆使して作られたものではなく、職人による手作りと言ってよいでしょう。いわば伝統工芸品ですね。この独特の魅力を味わうためにも、まだの方も一度は旧キットを手に取ってみてください。
旧キットを再現したFG(ファーストグレード)
ときどき再販されているため、店を回れば今でも旧キットは手に入りますが、それでも手軽に買うにはちょっとハードルが高いのは否めません。300円程度のリーズナブルなガンプラをもっと簡単に手に入れたいという方におすすめなのが、FG(ファーストグレード)というバンダイの展開するシリーズです。
FGは、ガンプラの高価格化が進んだ1999年から2000年ごろ、もう一度入門用の低価格モデルに帰ろうというコンセプトで登場しました。この当時、ガンダムの選択肢は、初代HG版の1/144スケールか、MG版の1/100、および、1/60版のパーフェクトグレードのみです。PG版は当時で12,000円、MG版でも2,500円でした。組み立てるのにも技術が必要だったので、初心者が気軽に手を出せるものではなかったわけですね。
そこで登場したのがFGシリーズでした。初心者でも簡単に作ることができ、しかも、300円程度という価格そのままの1/144スケールのガンプラです。旧キット当時と比べて技術が進んだため、接着剤不要で組み立てられるようになっており、しかも、デザインの作り込みも細かい部分までしっかりされています。
FGが登場してからも20年以上経ちましたが、今でもいくつかはバンダイホビーサイトで購入できますし、通販サイトなどでもよく売られています。
たとえば、「FG 1/144 MS-06F ザクII」、いわゆる量産型ザクですが、これはPGのザクとプロモーションと同じです。また、背面バーニアと脚部にはS型ザクとの相違点がしっかり表現されています。おまけにザクマシンガンまで付属ですから、このクオリティーと充実ぶりでたった300円(税別)とは驚きではないでしょうか。
2007年には、『機動戦士ガンダム00』に登場する4機のガンダムが「FGガンダム00」というシリーズで発売されました。肘や膝が可動するようになったのが特徴で、価格は少し上がりましたが、それでも各600円(税別価格)という安さです。
現行の他のシリーズと比べると、FGはやはり低価格モデルだけに可動域は狭く、色分けも細かくされていません。HGと比べればチープに感じられるでしょう。しかし、先ほども述べたように、わずか300円程度で買えることを思うと十分なクオリティーではないでしょうか。初心者が塗装や改造を練習するのにもぴったりです。安価なガンダムをお探しの方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
まとめ
今回は300円程度から買えるガンプラの旧シリーズについて解説しました。
今後もガンプラに関わるコラムを更新予定ですので、楽しみにお待ちください。