掃除グッズのメラミンスポンジがプラモデルのつや消しに活躍?
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プラモを作ったら、表面のつやを消して仕上げると見栄えがよくなります。そのための「つや消しトップコート」というアイテムも販売されているほどです。ただ、つや消しトップコートを使わなくても、プラモのつや消しができる方法があるのをご存じでしょうか。それは「メラミンスポンジ」を使う方法です。
しかし、メラミンスポンジでどうしてプラモのつや消し仕上げができるのでしょうか。メラミンスポンジというと洗剤を使わなくても汚れが落ちる便利な掃除グッズですが、その仕組みに秘密があるのです。そこで、メラミンスポンジがプラモのつや消し仕上げに使える理由とそのメリット、使い方などをご紹介しますね。
メラミンスポンジとは
メラミンスポンジがプラモのつや消しに使える理由をお伝えする前に、そもそもメラミンスポンジとはどんなものなのかを説明しておきましょう。
メラミンスポンジというのは、「メラミン樹脂」という特殊な樹脂を加工して作ったメラミンフォームからなるスポンジです。メラミン樹脂を非常に細かく発泡させると、硬度がとても高くて、きめの非常に細かい網目状の素材になります。
メラミンスポンジが洗剤要らずなのは、この硬い網目をこすりつけることで、掃除するものの表面を研磨できるからです。表面をこそげ落とすような感じなので、洗剤がなくてもしつこい汚れが落ちるという仕組みになっています。
硬い網目で物の表面を削り落とすわけですから、メラミンスポンジで掃除をすると細かいカスが出ます。消しゴムを使うと削りカスが出るようなものですね。同じく、消しゴムのように使っているうちにだんだん小さくなっていくのも特徴です。
メラミンスポンジがプラモデルのつや消しに使える理由
上記のように、メラミンスポンジは表面を研磨することで汚れを落とすわけですから、使用に適さないものもいくつかあります。たとえば、フローリングの床や車のボディなどです。説明書にも書いているはずですが、こうしたものをメラミンスポンジでこすると表面のコーティングが剥げてしまいます。車のボディをこすったら細かい傷だらけになってしまいますね。同じく、プリント面や塗装面にも使用はNGです。
使用できるものが限られているのがメラミンスポンジのデメリットですが、ただし、それは掃除グッズとしてのことです。プラモデルの仕上げにはこのデメリットを逆に使用します。
つまり、表面を削り落とすというこの特徴を利用して、プラモデルの塗装面をわざと削ってつや消しをするわけです。要は、紙やすりを使って塗装面を磨くとつや消しになるのと同じことですね。
メラミンスポンジがプラモデルの仕上げにおすすめの理由
冒頭でも述べましたが、プラモデルのつや消しには、専用のトップコートが販売されています。それを使わずにあえてメラミンスポンジをおすすめするのは、その方が何かとメリットがあるからです。では、メラミンスポンジにはどんなメリットがあるのでしょうか。
一つは、トップコートなどと比べて格段に安いことです。100円ショップでは、キューブ状のメラミンスポンジが複数個セットで売っています。また、大きいサイズのものを使いやすい大きさにカットして使うタイプもあります。
つや消しトップコートは便利ですが、スプレータイプにしてもビンのタイプにしても100円では買えませんよね。そこまで高額なものではなくても、プラモデルをたくさん作る人にとっては積もり積もって大きな出費になってしまいます。その点、メラミンスポンジは、たった100円(正確には110円ですが)でいくつも手に入るわけですから、少しでも節約したい方にはもってこいではないでしょうか。
手直しの面倒が少ない
トップコートと比べて失敗しにくいこともメラミンスポンジのメリットです。
トップコートは結局、塗料を塗っていくわけなので、時間が経つと塗膜が剥がれてしまうことがあります。また、マーキングシールの剥がれた跡の見栄えが悪くなってしまうのもデメリットですね。もちろんトップコートを使って手直しすることも可能ですが、面倒なことには違いありません。
その点、表面を研磨するメラミンスポンジなら、トップコートのように塗膜が剥がれるような心配はありません。また、つや消しした後に傷がついた時でも、スポンジでもう一度こすれば簡単に手直しができます。
つや消し以外にも使える
メラミンスポンジがプラモデルで活躍するのは、つや消しの時だけではありません。たとえば、塗料を塗る前の下地処理にも使えます。
プラスチックや塗料の性質によっては、塗料が弾かれて塗りにくいことがありますよね。プラスチックの表面があまりツルツルだと、筆が滑ってコントロールしにくいこともあります。そういう時は、事前にメラミンスポンジで表面をこすってみましょう。プラスチックの表面が削れてザラザラになるので、塗料のノリがよくなりますよ。
メラミンスポンジのデメリット
便利なメラミンスポンジですが、デメリットとなる点も確認しておきましょう。
削りカスが出る
メラミンスポンジは物の表面を削るため、作業していくうちに細かい削りカスが出ます。ゴミが気になる場合は、新聞紙など削りカスの受け皿を用意しておいたほうがよいでしょう。
あと、作業中に出る削りカスを吸ってしまわないように注意してください。体に良くない影響があることも考えられます。気になる方は、マスクなどで吸わないようにして作業した方がよさそうですね。
トップコートほど完全な仕上がりになるわけではない
もう一つのデメリットが、トップコートと比べた時の完成度です。やはり専用のつや消しトップコートの方が、メラミンスポンジを使った時より仕上がりの見栄えは良いでしょう。メラミンスポンジでは完全に光沢が消えない場合もあります。
メラミンスポンジを使ってプラモデルのつや消しをする方法
メラミンスポンジを使ってつや消し仕上げをする方法ですが、その前に、必要なものをそろえておきましょう。
まず、メラミンスポンジですが、100均の安いもので十分でしょう。ただし、こだわりたい方のためにプラモデル専用のメラミンスポンジもいくつか販売されています。
たとえば、「Mr.メラミンシート つや消し仕上げ用」というGSIクレオスの製品です。この製品は、ふつうのメラミンスポンジより4倍もの耐久性があるため、一つあるだけでけっこう長持ちします。価格は250円(税抜)ですが、コストパフォーマンスは十分です。
メラミンスポンジ以外では、水、削りカスの受け皿、手袋などです。手袋はなくてもいいですが、肌が弱い人がメラミンスポンジを素手で使っていると肌荒れすることがあります。気になる方は、台所用のゴム手袋などを用意しておきましょう。
必要なものがそろったら、いよいよ作業です。
まず、メラミンスポンジに水を含ませます。ただし、掃除の時ほどたっぷり含ませる必要はありません。もともと水を含ませるのは掃除するものの表面に傷をつけないようにするためなので、プラモデルの場合、少なめの水分で大丈夫です。
次に、水分を絞ったメラミンスポンジを使って、プラモデルのつや消ししたい部分をこすります。つや消ししたい部分を全部こすったら完了です。
工程はたったこれだけです。簡単ですね。なお、作業中は時々こすった部分の水分を拭き取り、仕上がり具合を確認しながら進めていきましょう。水分のついた状態だと、つやの消え具合がわかりにくいからです。あと、ムラが出ないように、スポンジが減ってきたら早めに交換することをおすすめします。
まとめ
今回はつや消しに「メラミンスポンジ」を使う方法について解説しました。
今後もプラモデルに関する記事を投稿予定ですので、楽しみにお待ち下さい。