【初心者】どんなリューターがオススメ?プラモ作りに適したものとは
この記事の目次
プラモデル作りによく使われる電動工具が「リューター」です。
ペンのように手で持って、細かい加工を手軽にできるということで、プラモデルファンを始め、DIYなどにもよく用いられています。
リューターがあれば、パーツの研磨や穴開け、バリ取りなどが簡単にできるので、余裕があればぜひ一つはそろえておきたいところですね。
リューターとは?
日常生活ではあまりリューターは目にしないものです。
あると便利とは聞いているけれど、具体的にどんな製品を選べばよいかわからない方も多いことでしょう。
その前に説明しておかなければならないのが、「リューター」という名前についてです。
この名前は、実は一般名詞ではありません。
日本精密機械工作株式会社という会社のブランド名なのです。
一般的には「ハンドグラインダー」などと呼ばれます。
もちろんリューターでもハンドグラインダーでも、使い方や機能が同じであれば特に区別する必要はありません。
ですので、これ以降も「リューター」という呼び方で統一しますね。
リューターは、プラモデルだけでなくさまざまな用途に使われます。
ペンのように手に持って使いますが、ペン先に当たるパーツがアタッチメントとなっており、これを交換することでいろんな使い方ができるようになっているのが特徴です。
このパーツを「ビット」といって、穴開け用のドリル、研磨用の砥石、汚れ落としに便利なブラシなどさまざまな種類があります。
加工する素材や用途に合わせて交換するわけですが、リューターには最初から何種類かビットが付いているほか、社外品のビットもあります。
リューターの使い方
リューターの細かい使い方は、その時選ぶビットの種類によっても異なります。
しかし、どんなビットを使うにしても、プラモデル作りのためにリューターを選ぶ時には、本体の「回転数」と「トルク」には注意してください。
回転数とは文字通りの意味で、リューターが回転する速度を表しています。
説明書には、「RPM」という単位で、1分間にそのリューターが何回転できるか記載されているはずです。
一般的には12,000回転以上で高速回転の部類で、金属などの硬い素材の切断にも対応できるようになります。
また、より速いものだと30,000回転以上するリューターもありますが、プラモデル作りにそこまでの回転数は必要ありません。
リューターによって、回転数が固定されているものもあれば、何段階かに調節できるものもあります。
プラモデル作りでは、リューターをいろんなふうに使うため、できれば細かく回転数を調節できるものを選びたいところです。
もう一つの「トルク」というのは、わかりやすく言えばリューターのパワーのことですね。
回転数と混同しやすいですが、回転数とトルクは必ず比例するわけではありません。
回転数の高いリューターでもトルクが低いものはあります。
つまり、高速回転してもパワーのない製品もあれば、逆に低速回転でパワーがある製品もあるというわけです。
低トルクのリューターだと、加工する素材によっては簡単に止まってしまいます。
プラスチックの加工ならそれほど気にする必要はありませんが、ガラスや金属などの硬い素材を加工するには、トルクの大きいリューターを選ぶ必要があるわけです。
ビットについて
リューター本体について押さえておきたいのが回転数とトルクなら、ビットについてもいくつか押さえておかなければならないことがあります。
ビットとは、先に述べたようにリューター先端に装着するパーツのことで、この種類を変えることで穴開けや研磨、彫刻などいろんな加工ができます。
リューターには最初から何種類かのビットがセットで付いてくるはずですが、必ずしもご自身のニーズに最適なビットがそろっているとは限りません。
購入前に必ずビットの種類は確認しておきたいところですね。
もっとも、社外品を買えば後付けでも使えますので、それほど神経質になる必要はないです。
リューター本体について言い忘れましたが、ビットを取り付ける軸の部分にも注意が必要です。
ビットにはサイズがあり、リューターの軸がそれに対応したサイズでないと装着することができません。
リューターの軸径にもいろんな種類があるのですが、プラモデル用に選ばれるものはだいたい2.34mmか3.0mmです。2.34mmの方がより一般的でしょう。
後付けできる種類のビットもプラモデル用には2.34mmのものが多いので、リューターを選ぶ時は軸径にも注意してくださいね。
もう一点、使い勝手の面で押さえておきたいのが、有線か無線かです。リューターには、コンセントにコードをつないで給電しながら使う有線タイプと、バッテリーや電池で動く無線タイプがあります。
無線タイプはバッテリーや電池を内蔵する分、大きさも重さも大きくなる傾向があります。
アクセサリーの彫刻のような繊細な作業に使うのであれば、軽量の有線タイプの方がよいでしょう。
ただ、プラモデルの研磨やバリ取りぐらいであれば、無線タイプでも使いにくいことはありません。
取り回しも良いですので無線タイプがおすすめですよ。
プラモ作りに必要なリューター
以上がリューターを選ぶ時に知っておきたい基本的なポイントですが、プラモデル作りではそれほど回転数は気にしなくてもいいです。
リューターのなかには30,000回転や40,000回転という高速回転が可能なものもありますが、むしろプラモデル作りにそんな回転数は必要ありません。
というのも、そんな高い回転数でプラスチックを削ろうとすると、ビットが触れる時の摩擦熱によってプラスチックが溶けてしまうからです。
溶けたプラスチックがビットに絡みついてしまい、作業できなくなってしまいます。
プラモ上級者やプロのモデラーのなかには、高速回転のリューターを使っている方もいます。
ただ、そういう方たちは、みなさん高度なテクニックを備えた熟練者です。
だからこそ、そんなオーバースペックのリューターでも使いこなすことができるわけですね。
それに、高速回転のリューターは取り扱いに注意が必要です。
万一手や指が当たってしまったら大怪我にもつながりかねません。
したがって、これから初めてリューターを使おうかという方には、なるべく回転数の低いものをおすすめします。
むしろ低速回転ができるリューターこそ、初心者は選ぶべきと言いたいです。
プラスチックを溶かすことなく繊細な作業をしようと思ったら、3,000回転もあれば十分でしょう。それ以上だと、プラモデル作りには扱いが難しくなってしまいます。
低速回転に対応しており、さらに、回転数が細かく調節できるものがプラモ作りでは理想です。
おすすめは、0~3,000回転ぐらいまでの範囲で無段階に微調整できるダイヤル式のリューターです。
加えて、逆回転できるものなら言うことないでしょう。
なお、リューターにもピンからキリまでいろいろありますが、あまり安すぎるものはトルクが足りないので注意してください。
加工時に低速回転を維持するには、そこそこのトルクが必要です。
1万円以上のリューターならまず大丈夫でしょう。可能ならその価格帯で選んでみてください。
まとめ
しかし、「それでも高すぎる」という方もいるのではないでしょうか。そんな方のために、最初の1台として低価格ながらトルクのある製品を紹介します。
それは、浦和工業というメーカーが出している「マイクログラインダーHD10」です。
回転数が10,000回転から変更できないのがネックですが、軸が安定しており使いやすく、単三電池2本で動く軽量さが魅力です。2,000円程度で買えるので、「最初から高価な業務用リューターはちょっと…」という方にも手が出しやすいでしょう。まず、これでリューターに慣れて、それからグレードアップするとよいのではないでしょうか。