【プラモデル】スケールやサイズ感の違いを解説!
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プラモデルには「スケール」という大きさを表す基準があります。
32分の1、48分の1、72分の1、またガンプラの144分の1も有名です。
文字どおり、実物をその割合に縮尺したサイズのことで、同じモデルの模型でも、それぞれ異なるサイズが楽しめるようになっています。
そもそもこうした模型のことを、単にプラモデルではなく「スケールモデル」と呼ぶのが正解です。
なお、実物に存在するものだけでなく、ガンプラのようにアニメ作品などの架空のマシンのプラモデルについても、スケールモデルとする考え方もあります。
プラモデルのスケールはどうやって決まる?
プラモデルに限らず、ミニカーや鉄道模型など模型の世界には、世界的なスケールの基準である「国際スケール」が存在します。
そのため、そのスケールで作られたものなら、世界のどこのメーカーの模型でも、実物のサイズの違いを比べられるわけです。
国際スケールに準拠していない場合でも、メーカーが独自に統一したスケールを採用していることもあります。
同じシリーズの模型が同じスケールで統一されているというような例です。
ところで、冒頭にも触れたように、プラモデルのスケールは、48、72、144といったように半端な数字が多いです。
なぜこんな中途半端な数字になったのか、気になったことはないでしょうか。
実は、上に挙げた3つの数字はすべて12の倍数です。
そもそも模型文化が誕生したのがヤード・ポンド法の国ということもあって、今も多くのプラモデルはスケールが12の倍数になっています。
ただ、32分の1というスケールもあるように、12の倍数だけでなく、8分の1や16分の1など、8の倍数になっているケースも多いです。
一方、日本のようにヤード・ポンド法ではなくメートル法の国だと、上記の数字はどうしても中途半端に感じられてしまいます。
そのため、日本だけでなく、メートル法の国では50分の1や100分の1スケールなど、私たちにとってわかりやすいスケールもいくつかのプラモデルでは採用されているのです。
では、日本のプラモデルでは、どんなスケールが一般的でしょうか。
日本のプラモデルのおもなスケール1 20分の1
日本では、20分の1スケールが車のプラモデルではポピュラーです。
バンダイを始め、日本模型やエルエスといったメーカーが、20分の1スケールを採用しています。
タミヤなどのF1カーのプラモデルを作るメーカーも、20分の1スケールで商品化しているものが多いです。
また、車に比べると少ないですが、航空機や戦車のプラモデルにも20分の1スケールが採用されることがあります。
ガンプラシリーズでも、モビルスーツではありませんが、キャラコレのように人物の模型に採用例があります。
日本のプラモデルのおもなスケール2 35分の1
タミヤの戦車やミリタリーミニチュアシリーズで有名なスケールです。
なぜ35分の1になったのかは、戦車のプラモデルをモーターで駆動させるのに必要なサイズだったからと言われています。
ただし、これに関しては正確には32分の1スケールだったという話もあるので、はっきりしたことはわかりません。
いずれにせよ、それまで欧米では32分の1スケールが標準だったのが、タミヤの戦車シリーズによって、世界的にも35分の1スケールが広く認知されるようになったのです。
のちには、フランスやイタリアの模型メーカーのなかにも35分の1を採用しているところがあります。
日本のプラモデルのおもなスケール3 72分の1
72分の1スケールは、国際スケールとして広く航空機のプラモデルなどに採用されていましたが、日本では当初、異なるスケールが用いられていました。
日本模型やフジミ模型では、初期の航空機のプラモデルに70分の1スケールを採用していましたし、エルエスなどでは75分の1スケールの航空機のプラモデルも多かったです。
それが、エアフィックスやレベルのプラモデルが日本でも広く普及するにつれ、これらの国内メーカーも72分の1スケールへと変更しています。
ただし、この数字は実物の正確な縮尺ではなく、パッケージの大きさに合わせて決められた後付けです。
日本のプラモデルのおもなスケール4 100分の1
100分の1スケールは、マルサン商店が航空機のプラモデルのスケールとして、初期に採用していました。
航空機のソリッドモデル(材料が木材の模型)は50分の1が国際的な標準スケールでしたが、日本の住宅事情に合わせたのか、半分になっています。
日本のプラモデルのおもなスケール5 144分の1
144分の1は今ではガンプラで有名ですが、国際スケールに準拠したスケールであるため、国内外のメーカーが多く採用しています。
オオタキやアリイ、クラウン、エルエスといったメーカーの航空機のプラモデルが良い例です。
最近では、海洋堂の食玩などでもおなじみではないでしょうか。
日本のプラモデルのおもなスケール6 700分の1
700分の1スケールは、船舶や水上艦艇などの艦船に採用されるスケールです。静岡の4つのメーカーが共同で企画したウォーターラインシリーズの規格として広がったもので、のちには国際スケールとして通用するようになりました。欧米の艦船のプラモデルはメーカーごとにスケールもまちまちですが、中国のメーカーなどでは700分の1や350分の1が採用されるようになっています。
プラモデルのスケールによるサイズ感の違い
同じスケールを採用していても、実物のサイズが違えば、プラモデルにした時のサイズにも大きな違いが生まれます。
たとえば、先にもお伝えしたように、艦船のプラモデルは700分の1が一般的です。一方、その倍のスケールの350分の1のプラモデルも少なくありません。
たとえば、アオシマからは重巡洋艦「高雄」のプラモデルが、それぞれ350分の1スケールと700分の1スケールで出ています。
700分の1スケールの場合、組み立て後の全長はおよそ288mmです。30cm弱なので、部屋に飾るのにもぴったりな大きさではないでしょうか。
一方、350分の1スケールとなると、全長は700分の1の倍の約580mmです。飾るスペースがネックになりますが、700分の1スケールよりも細部まで精細に再現されているので、やはり作りがいという点ではこちらの方が上でしょう。
重巡洋艦の高雄に対して、戦艦や航空母艦はさらに大きいです。航空母艦「赤城」の場合、700分の1スケールで全長が375mm、幅はおよそ60mmあります。
それが350分の1スケールになると、全長はなんと750mm、幅も150mmを超える巨体です。
このように、スケールの違いによって同じモデルでもかなりの違いがあります。
スケールが大きい方が細部の再現度が上ですが、当然ながらパーツ数もそれに応じて増えますので、組み立てるには時間も手間もかかるのがネックです。
また、完成後の飾るスペースも考えなければなりません。
1体ならともかく、何個もコレクションすることを考えると、それが可能な人は限られるのではないでしょうか。
その点、スケールが小さいモデルの方がコレクションのしやすさは上です。
ただ、どちらが良いという決まりはないので、好みに合わせて選べばよいと思います。
スケールを統一するかどうかも個人の自由ですので、最終的には好きなスケールを選べば問題ないということです。
じっくり腰を据えて取り組みたい時は350分の1スケールの艦船を、サクッと作りたい時は72分の1の航空機をという感じで、その時の気分に合わせて選べばよいでしょう。
まとめ
プラモデルのスケールやサイズ感の違いを解説しました。
今後も様々なプラモデルに関する記事を投稿予定ですので、楽しみにお待ち下さい。