【ガンプラ】スプレー塗料できれいに塗装する方法
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ガンプラの塗装に限らず、スプレー塗料を使って塗装をしたことがある方は少なくないでしょう。筆で丁寧に塗装していくような方法と違って、吹き付けるだけで簡単に塗装できるのがメリットです。また、スプレー缶さえあれば他の道具がいらないのも手軽でいいところです。
とはいえ、簡単に塗装できて便利なスプレー塗料でも、ガンプラを丁寧に仕上げようと思うと、意外と難しいことに気づきます。簡単だと思われがちなスプレー塗料による塗装ですが、きれいに仕上げるにはその特性をよく知るとともに、何度も練習を重ねる必要があるのです。今回は、スプレー塗料でガンプラを塗装する時の基本的なコツを押さえます。
スプレー塗料のメリットとデメリット
最初に、スプレー塗料全般に当てはまるメリットとデメリットを確認したいと思います。
スプレー塗料の良いところは、買ってきたそのままの状態ですぐに使えることです。瓶タイプの塗料の場合、自分で適切な濃度に希釈する必要があります。その点、スプレー塗料なら、最初からベストな状態に希釈されているため、いきなりプラモに吹き付けても、ある程度のクオリティーに仕上がるのがメリットです。また、スプレー塗料があれば、他に道具を必要としないのも便利な点でしょう。
一方、スプレー塗料は、吹き出す塗料の量を調整しにくいというデメリットがあります。少しプッシュするだけで一気に塗料が吹き出してしまうため、油断しているとすぐに塗装面が厚くなり、液垂れを起こしやすい点に注意が必要です。ガンプラのような細かいパーツからなるプラモの塗装には、少し不便な面もあります。
スプレー塗料でガンプラをきれいに塗装する方法
上記のメリットとデメリットを理解したうえで、ガンプラをスプレー塗料できれいに塗装するためのポイントを整理しておきましょう。
缶をよく振って中身を撹拌する
塗装前の準備として、缶をよく振ることが挙げられます。スプレー塗料は買ってきたそのままの状態で使えると述べましたが、時間が経つほどに、缶の中でどうしても塗料が固まっていくことは避けられません。ですので、使う前に缶をよく振って、中身をしっかり撹拌することが大切です。
スプレー塗料を振ってみると、中でカラカラと音がするでしょう。これは、中身を撹拌しやすいように入れてある金属のボールの音です。缶を振ることで、このボールが固まりかけた塗料をまんべんなく撹拌してくれます。
また、塗料残量が少なくなると、缶を振っても音がしなくなります。交換時期の目安にもなって便利です。
ちなみに、缶を振る時のコツもあります。適当に振るだけでもそれなりに撹拌できますが、手首のスナップを上手に効かせた振り方がおすすめです。腕を大きく振るよりも、こうして細かく振る方が塗料をしっかり撹拌できます。
また、長めに缶を振りましょう。2~3回カラカラと振るだけでは全然足りません。2~3分振り続けることで、中身の塗料がちょうどよく撹拌されます。
スプレー塗料を使う際の室温にも注意
なお、缶をよく振っても、室温が低すぎる時にはスプレー塗料を正常に使用できません。スプレー塗料とは、缶内部のガスを気化させて、高まった圧力で塗料を噴出させる仕組みです。使用環境の温度が低すぎる場合、この気化がうまくできないため、ボタンをプッシュしても塗料がちゃんと出なくなるのです。
室内で作業する場合、エアコンもありますので、冬場でもスプレー塗料が使えないほど温度が下がることはないでしょう。ただ、寒い場所に保管している場合、温まるまでに時間がかかることに注意です。すぐに使いたい時は缶を温めて、缶内部の温度を上げなくてはいけません。
なお、缶の温めすぎには要注意です。中身が高温になりすぎると、高められた圧力のせいで、缶が破裂する危険もあります。スプレー缶は、ぬるま湯に付けるなどして温めるのがおすすめです。
温度だけでなく、湿度によっても塗料がしっかり出ないことがあります。適切な温度や湿度は塗料の説明書に書いてあるはずですから、使用前によく確認しておく必要があります。
梅雨などの湿度の高い時期は、特に注意が必要です。湿度があまりに高すぎる場合、乾燥後、塗装が白っぽくなることがあります。湿度の高い時期は、エアコンで室内の環境を整えてから使用しましょう。
スプレーする前にパーツのホコリを取り除く
スプレー塗料の用意ができたら、すぐに塗装といきたいところですが、その前に塗装するパーツのホコリを取り除く必要があります。ホコリは塗装にとって大敵です。できれば刷毛などを使って、パーツのホコリをきれいに拭い取ります。
スプレー塗料の吹き付け方
準備ができたら、ようやく塗装の開始です。
スプレー缶で塗装する場合、スプレーとパーツとの距離に注意が必要です。近すぎる距離で吹くと、パーツに塗料が付きすぎて垂れてしまいます。ただし、離しすぎるのも禁物です。缶から噴出された塗料がパーツに届く前に、乾燥し始めてしまいます。20cmぐらいが近すぎず遠すぎず、ベストな距離です。
適度な距離を保ったら、いよいよ吹き付けです。その際、いきなり塗装したい面に向けて缶をプッシュするのではなく、別の方向に向けてプッシュし、塗料を噴出させながら塗装したい面を通過させます。
塗装面に向けていきなり吹き付けると、そこだけに塗料が集中してムラになってしまうからです。また、吹き始めは、噴出口付近で固まった塗料が一気に飛び出してしまうこともあります。それが塗装面に付かないようにするためにも、最初は違う方向を向いてプッシュし、塗料の吹き出しが落ち着いてから塗装するのがコツです。
大切なのは、同じ箇所にだけ塗料を吹き付けないようにすることです。手は常に動かして、ムラにならないように塗装します。吹き付けの距離によって、手を動かすスピードも変えましょう。近くで塗装する時は、手を左右に素早く動かします。少し離して塗装する時は逆に、少しゆっくり目に動かします。
基本は、対象と近くなるほどスプレーを速く動かす、と覚えておくことです。慣れてくれば、手を動かすスピードによって、吹き付けたい塗料の量を調節できるようになります。
スプレー塗装の肝は重ね塗り
スプレー塗料を使った塗装では、一度の塗装で仕上げようとしないことが大切です。何度も何度も重ね塗りして、徐々に仕上げへと近づけていきます。
1度の吹き付けで塗装してしまおうとすると、1箇所に吹き付けられる塗料がどうしても多くなってしまいます。乾燥する前に塗料が垂れてしまう原因です。そうではなく、1回の塗装はごく薄く、それを何回も繰り返すことによって、薄い層を重ねていくことです。それが、きれいに艶を出す塗装のコツです。
塗装に失敗した時の対処法
注意して塗装しているつもりでも、塗料が垂れたり指紋を付けてしまったりといった失敗はあります。そんな時は、一度乾燥してからゆっくり対処するのがコツです。あわてて上から塗装し直そうとすると、逆に被害を広げるだけになってしまうので注意しなくてはいけません。
失敗した時は、塗料が完全に乾くまで待ちます。表面は乾いているように見えても、実は内部がまだ、ということがよくあります。1~2日ほど放置して、完全に乾燥させましょう。
塗料が完全に乾いたら、直したい場所にそっとやすりをかけます。なるべく細かい目の紙やすりを使い、他の箇所を傷付けないようにするのがコツです。
紙やすりで失敗箇所の塗装を落としたら、再度塗装をします。この時、失敗した箇所だけを塗装しようとすると、他の部分との色ムラになりやすいので、きれいに仕上げるのなら、全体をもう一度最初から塗装し直すのがよいでしょう。
まとめ
今回はスプレー塗料できれいに塗装する方法についてまとめました。
今後もガンプラに関するさまざまなコラムを更新しますので、楽しみにお待ち下さい。