【初心者向け】プラモのトップコート解説!
この記事の目次
最近のプラモデルは塗装済みのものが多く、初心者の素組みでもある程度の仕上がりになります。しかし、いくつもプラモデルを作り、クオリティーを求めるうちに、徐々にそれでは物足りなくなるはずです。
そんな時に頼りになるのがトップコートです。これを吹き付けるだけでプラスチックの安っぽさが消え、プラモデルに重厚感やリアリティーが生まれます。そこで、トップコートの選び方やおすすめのアイテムを見ていきましょう。
プラモデル用トップコートの種類
プラモデル用のトップコートとして販売されている製品は数多いですが、それらを大きく分けると、水性とラッカー系の2種類になります。異なる性質を持つため、具体的にどの製品を選ぶにせよ、トップコートを使用する材質など、用途に合わせて適切なものを選びましょう。
水性のトップコートとは、水溶性の有機溶剤です。有機溶剤ではあるものの水溶性であるため、それほど薬品臭が強くなく、塗装の上に吹き付けても、薬剤が塗膜に与える影響はそれほどありません。一方、トップコート自体の耐久性がやや低いというデメリットがあります。
ラッカー系のトップコートは、水溶性と比べると非常に強力な有機溶剤です。そのため、強い薬品臭がすることがデメリットになります。マスクを装着したり、換気に気をつけたりなど使用上の注意はありますが、乾燥時間が短く、耐久性も高いのが水性のトップコートと比べた時の大きなメリットです。ただ、扱いは簡単ではありません。塗料の種類によっては、ラッカー系のトップコートを吹き付けたために溶けてしまうこともあります。
初心者には水性のトップコートがおすすめ
上で見たように、ラッカー系のトップコートの方が強力ではありますが、初心者には扱いづらい点があります。場合によっては塗料だけでなくプラモデルの樹脂まで溶かしてしまうこともあるので、希釈してから使うなど事前準備も必要です。そのような面倒を考えると、プラモデル初心者には水性のトップコートの方が格段に扱いやすいでしょう。
プラモデルの塗装でよくある失敗に、「白化現象」があります。湿度の高い環境で塗装した時に発生しやすく、文字どおり塗装した部分が白く濁る減少です。白化現象は乾燥時間の短い塗料ほど起こりやすいので、ラッカー系のトップコートも同様に注意しなければなりません。
また、湿度だけが原因ではなく、缶の中の薬剤がしっかり撹拌されていない状態で吹き付けたり、一度に大量に吹き付けたりして、塗装にムラができた時にも起こりやすいです。これもラッカー系のトップコートを使用した時に起こりやすいことですので、白化現象を避けるにはかなりの注意を必要とします。
その点、水性のトップコートなら、スプレーで直接吹き付けたとしても白化現象は起こりにくいです。ラッカー系のトップコートと比べて乾燥に時間はかかるものの、白化現象のせいで最初からやり直しになる場合と比べれば、たいした手間ではないでしょう。
また、上記のとおり、ラッカー系のトップコートは強力な有機溶剤です。強い薬品臭がするため、使用環境には注意しなければなりません。マスクを装着したり、窓を開けて換気に気をつけたりなど、事前準備が必要なことも先ほど述べたとおりです。
しかし、ラッカー系のトップコートのように強力な有機溶剤を使用できる環境にない方も少なくないでしょう。たとえば、家族と共用の部屋でプラモデルを作る場合、そんな強力な薬剤は使えません。その点でも、水性の塗料やトップコートがおすすめなのです。
もちろん、水性のトップコートでも有機溶剤には変わりないので、使用上の注意はあります。密閉した室内でずっと使っていると、健康被害が出ないとは限りません。ラッカー系と比べると安全ですが、プラモデルの塗装時にはなるべく換気を意識しましょう。
おすすめの水性トップコート
プラモデル用の水性トップコートはいろんなメーカーが販売しています。そのなかで、最もメジャーかつ初心者にもおすすめできるのは、「GSIクレオス」の製品です。GSIクレオスの水性トップコートにも何種類かありますが、大きく分けると、「青缶」と呼ばれる通常の製品と、「プレミアムトップコート」のシリーズがあります。
通常版の青缶は先に発売された製品で、プレミアムトップコートと比べて粒子が粗く、価格が安いのが特徴です。
一方、後から出たプレミアムトップコートには以下の3種類があります。
1つは、つや消しのプレミアムトップコートです。細かい粒子からなり、白化しにくく、吹き付けた時の発色が良いというメリットがあります。
つや消しに対して、光沢のプレミアムトップコートもあります。その名のとおり、塗装面をピカピカにするトップコートです。水性なのにここまで光沢を出せるトップコートはそうないでしょう。
つや消しと光沢の中間として、半光沢のプレミアムトップコートもあります。革などの素材を表現するのに最適なトップコートです。
トップコートでよくある失敗例
水性トップコートはラッカー系と比べると初心者にも比較的扱いやすいですが、それでもいくつか注意点はあります。
たとえば、本当に初めてなら、スプレーで吹き付けるにも、どの程度吹き付ければよいかわからないのではないでしょうか。塗料と違って見た目ではっきりわからないため、つい吹き付けすぎる傾向があります。しかし、吹き付けすぎると白化現象が起こりやすく、また液垂れもしやすいです。
かといって、薄く塗りすぎても失敗です。トップコートが足りないと、プラモの表面がぶつぶつになってしまいます。
その点、GSIクレオスのプレミアムトップコートは、上記のような失敗が起こりにくいです。少々かけすぎても白化現象や液垂れが起こりにくく、トップコートが少なくてもブツブツにならずスムーズに仕上がります。
もちろん、プレミアムトップコートなら絶対に失敗しないというわけではありません。しかし、初心者の場合、通常のトップコートよりもプレミアムトップコートを使った方が、失敗する確率はぐんと下がるでしょう。プレミアムトップコートの方が100~200円ほど高いですが、その差額以上のメリットが得られるはずです。少なくとも最初は通常版ではなく、プレミアムトップコートを選びましょう。
トップコートの正しい吹き付け方
白化現象や液垂れ、ぶつぶつなど、トップコートでよくある失敗は、缶の中身がしっかり撹拌されておらず、吹き付けた時にムラができるために起こります。ですので、使用前に缶をしっかり振りましょう。2~3回振るだけではなく、20~30秒ほど振り続けるぐらいでちょうどよいです。しっかり撹拌できていれば、トップコートの正しい吹き付け方といってもそれほど難しいことはありません。
スプレーのボタンを押した直後は吹き出し方が不安定なので、最初は吹き付けたい対象から離してしばらく吹きます。安定したら、吹きたい場所に一方向に吹き付けてください。後戻りするとムラになるので、吹くのはできるだけ一方通行です。缶ではなく、プラモデルを動かしながら、全体に吹き付けていきます。
まとめ
トップコートは、プラモデル作りの仕上げとして行う工程です。塗装がいくら上手にできていても、トップコートを失敗すると一気に台無しになってしまいますので、初心者のうちは扱いに注意しましょう。初心者でも失敗しにくいトップコートとして、GSIクレオスのプレミアムトップコートをおすすめとして挙げておきますので、ぜひ参考にしてください。