【プラモ】エアブラシのお手入れ方法
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塗料をスプレーのように吹き付けられるエアブラシは、プラモデルのワンランク上の塗装で欠かせないアイテムです。一度に吹き付ける量の多いスプレー缶では難しい繊細な色合いの塗装ができますし、また、自分の好みで自由に色合いを調節できます。
ただし、プラモデルの塗装でエアブラシを使った後、そのまま放置していると、エアブラシの内部で塗料が乾燥してしまうことに注意です。次回の塗装でスムーズに使用できるようにしておくためにも、エアブラシのカップに残った塗料は使用するたびにきちんと洗浄するようにしましょう。
エアブラシ内部を分解して洗浄するお手入れは、毎回でなくてもよいですが、時々はきちんとお手入れすることを忘れないでください。そうでないと、ノズルやニードルなどのエアブラシの内部機構が塗料の乾燥で固着してしまい、次回動かす時の故障の原因になってしまいます。
お手入れの前に知っておきたいエアブラシのタイプ
プラモデルの塗装に用いられるエアブラシは、大きく分けると3つのタイプがあります。タイプごとに塗料の吹き出し方などが違っており、また、内部構造も違うため、お手入れのためにもお使いのエアブラシのタイプを知っておきましょう。
塗料を吹き出すのにトリガーを引くようになっているタイプが、一般に「トリガータイプ」と呼ばれるエアブラシです。トリガーを引くと、塗料とエアの両方が吹き出します。トリガーに加える力加減によって、塗料の量が調節できるようになっているのが特徴です。また、塗料を吹き出す量を後部のネジで調節できるようにもなっています。
エアはメインレバーで調節し、塗料を吹き出す量は後部のネジでコントロールする「シングルアクションタイプ」のエアブラシも多いです。塗装時、後部のネジを回すだけで塗料を吹き出す量を調節できるため、比較的カンタンに操作できるようになっています。ただし、ネジを開けている限り塗料が吹き出し続ける仕組みです。そのため、吹き付けのたびにネジを回して塗料の吹き出しをストップさせる必要があります。
エアブラシのもう一つのタイプは、メインレバー一つでエアと塗料の吹き出す量をコントロールできる「ダブルアクションタイプ」です。後部のネジは塗料を吹き出す最大量を調節するためにありますが、シングルアクションタイプのように塗料の吹
き出しを止めるためにいちいちネジを締める必要はありません。
エアブラシのお手入れ方法1. 用意するもの
エアブラシのお手入れの前に、必要なものをそろえておきましょう。エアブラシ用のクリーニングセットが市販されているので、それでまとめてそろえてもかまいません。
別々にそろえる場合は、エアブラシクリーナー、六角レンチ、ノズルレンチ、マイナスドライバー、それに、スポイト、空き瓶などがあるとよいでしょう。エアブラシの種類によっては使用しないものもあります。また、塗料の汚れを拭き取るために、ティッシュと綿棒も用意しておくと便利です。
エアブラシのお手入れ方法2. トリガータイプ
トリガーを引くことでエアと塗料の吹き出しをコントロールするタイプからです。分解洗浄する工程を確認しましょう。
最初に全体を分解します。ノズルカバーとニードルカバーを外し、ノズルレンチを使ってノズルを外しましょう。ノズルはデリケートな部品ですので、無造作に力を入れないよう注意が必要です。途中までゆるめたら、後は優しく指で外すようにしましょう。外したカバーとノズルは、空き瓶にエアブラシクリーナーを入れたものの中に浸しておきます。
残りのパーツも六角レンチやマイナスドライバーを使って分解しましょう。
全部分解できたら、エアブラシクリーナーを付けたブラシで各部品を洗浄していきます。塗料入れのカップ部分とノズル口とは大きさが違うため、ブラシも大小各サイズを用意しておき、大きさに合わせて使い分けるとよいでしょう。ニードルは、ティッシュにエアブラシクリーナーをつけ、それで全体を拭います。
エアブラシクリーナー入りの瓶に浸しておいたパーツも洗浄してください。ただし、これらのパーツは繊細な作りですので、力の入れすぎには注意が必要です。綿棒やティッシュを使って丁寧にきれいにしていきます。
ノズルは穴を覗いて、穴の形に丸い光が見えているかを確認してください。そうでない場合は、まだ塗料などの異物が詰まっているのでもう一度洗浄が必要です。ノズルの穴は非常に小さいため、面相筆などを使うのでもよいでしょう。綿棒やティッシュでエアブラシクリーナーを拭き取ったら完了です。
最後に、分解したパーツをもとどおり組み立てましょう。組み立てる時は各パーツの前後や切り欠きの位置に注意してください。ネジがまっすぐ入りにくいところもありますが、斜めに入らないように丁寧な作業が必要です。最後に締める際は、手で優しく締めるようにするとよいでしょう。
エアブラシのお手入れ方法3. ダブルアクションタイプ
ダブルアクションタイプのエアブラシは、エアと塗料を別々にコントロールできるのが大きなメリットです。エアだけを噴き出させることができるため、パーツ表面のホコリを吹き飛ばすなどの用途にも使えます。プラモデルの塗装用には最も普及しているタイプのエアブラシではないでしょうか。
ダブルアクションタイプのお手入れは、トリガータイプより少ない手順で比較的簡単にできます。まず、トリガータイプと同様に、ニードルを取り外したら、ノズルカバーとニードルカバー、ノズルも取り外し、空き瓶にエアブラシクリーナーを入れたものに浸しておきます。
次に、エアブラシ後部のパーツと上部のボタン部分を取り外します。
具体的な洗浄の仕方は、トリガータイプと基本的に同じです。ただ、組み立ての際は、S字のパーツがあるエアブラシの場合、パーツの向きに注意してください。ものによっては一体型になっている製品もあるので、その場合は気にしなくてOKです。パーツがバラバラの製品の場合、エアブラシ上部からパーツの頭が見えるように取り付けます。
また、レバーの前後も間違えやすいので注意しましょう。切り欠きの位置を参考に前後正しく取り付けます。ノズルとニードルを取り付け、ニードルを締めるネジを固定したら完了です。
エアブラシの塗装時やお手入れ時の注意点
エアブラシで塗装する際、排気に注意しているつもりでも、思った以上に塗料や溶剤のニオイが周囲に広がっています。自分一人で作業する時ももちろんですが、家族と同居の場合は十分な配慮が必要です。
自分一人の場合も、防護マスクを使うなどして直接塗料を吸い込まないように注意しましょう。最近の塗料には体に安全なものも多いですが、そうはいっても、体内に吸い込んで健康に良いものではありません。フィルター付きの防塵マスクがあると安心です。
まとめ
プラモデル初心者にとって、エアブラシを使った塗装と聞くとハードルが高いような印象を受ける人もいるでしょう。しかし、実際は筆やスプレー缶を使った塗装よりも簡単ですし、何よりきれいに塗装できるのが大きなメリットです。
便利なエアブラシですが、塗料を付着したままにしないよう使用後はしっかりお手入れしましょう。上記のような分解洗浄を毎回する必要はありませんが、3か月に1回などと頻度を決めてお手入れすることをおすすめします。
なお、具体的なお手入れ方法などは、個々のエアブラシの取扱説明書に詳しく書かれているはずです。そちらも事前に必ず確認するようにしましょう。