【保存版】プラモのヤスリがけとは?
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ガンプラのように、最近のプラモデルはニッパーなしで、ゲートからパーツを切り離せるものが増えています。その気になれば、一切道具を使わずに完成させられるということです。ただ、いくらニッパー不要のプラモデルでも、よくよく見れば若干のゲート跡が残っていることがわかります。それが気になってしょうがないという時は、ヤスリがけだけでもしておきましょう。そこで、初めてヤスリがけに挑戦するために知っておきたい、ヤスリがけの役割、ヤスリの種類、選び方について押さえます。
プラモデルにとってのヤスリがけの役割
プラモデルのパーツはランナーという長方形の枠に固定されており、それを切り離して組み立てていきます。その切り離す部分が、冒頭でも述べた「ゲート」です。切り離したパーツに残った跡を「ゲート跡」と呼びます。ヤスリがけの主な役割は、このゲート跡を削って目立たなくすることです。
実際のプラモデル作りにおいては、ゲート跡の処理以外にも、さまざまな使い道がヤスリにはあります。塗装前にパーツの表面に軽くヤスリがけをして塗料をのりやすくしたり、塗装済みのプラモにヤスリがけをしてツヤを消したりといった役割です。とはいえ、初心者のうちは、ゲート跡の処理のためとだけ覚えておいてよいでしょう。
ヤスリには、目の粗さに応じて「番手」という番号が振られています。400番や600番、800番などといった具合に、番号が大きくなるほど目が細かく、小さくなるほど目が粗くなるのが番手です。ヤスリがけをする時は、まず番手の小さな(目の粗い)ヤスリを使い、削り具合に応じて、番手の大きなヤスリに持ち替えて使用します。
プラモデルのヤスリがけはどこまですればいい?
ヤスリがけをしていくと、初心者のうちは「いったいいつまでやればいいんだろう?」と思うものです。この問いには正解はありません。粗めのヤスリをざっとかけただけでも自分で納得したらそこで終わりですし、納得できなければ細かいヤスリを使ってどこまでも削っていきます。
それに、塗装の有無によっても変わるはずです。塗装するならある程度のところで終えても、塗料によって目立たなくすることができます。塗装なしの素組みで完成とするなら、かなり細かくヤスリをかける必要があるでしょう。それも結局、自分が納得できるかどうかです。
また、そもそもヤスリがけが必要なのかどうかという問題もあります。何のためにヤスリがけをするのかと言えば、完成した時にゲート跡が目立たないようにするためです。完成時に見えない部分であれば、ゲート跡をヤスリがけする必要はありません。もちろん見えないところでも、ゲート跡が別のパーツに干渉するようならしっかり処理しておくべきですが、そうでなければあまり神経質になる必要はないでしょう。
ヤスリの種類と選び方
プラモデルに使うヤスリにはいくつか種類があり、ヤスリがけの目的に応じて適切なヤスリを選ぶ必要があります。適切な選び方を知るためにも、ヤスリにどんな種類があるのかを押さえておきましょう。
●金属ヤスリ
金属ヤスリは紙ヤスリと比べて研磨力が高く、何度使っても摩耗しないのが特徴です。多少硬いプラスチックでも簡単に削れます。大きな凹凸を真っ平らにすることも可能です。金属ヤスリはそう何度も買い替える必要がないので、これというものを1種類持っておけばよいでしょう。
いくつかあるプラモデル作りにおすすめの金属ヤスリのなかでも、「Goreson」の鉄鋼ヤスリは高品質でおすすめです。特殊炭素鋼によるヤスリで、研磨力が高く、摩耗にも強く、優れた切れ味を長期間キープします。また、お手入れに便利な清掃用ワイヤーブラシと、保管に便利なレザーケースがついているもポイントです。
「KBC PREMIUM」のダイヤモンドヤスリも、プラモデラーの評価が高い製品です。ダイヤモンド製のヤスリなので、どんなものでもらくらく削れます。10本セットがお得で、これ一つ持っているだけで、どんな作業にも対応可能です。
模型ツールメーカーの「ゴッドハンド」も金属ヤスリを出しています。「ミニヤスリカスタム」といって、わずか110mmの全長で手のひらに収まるサイズが特徴です。目の粗さが違うヤスリが裏表についており、握りながら必要に応じて使い分けられるというメリットがあります。指の延長のように扱いやすいのが魅力です。
●紙ヤスリ
金属ヤスリは、初心者には少々扱いにくいところがあります。そんな方は紙ヤスリから始めてみましょう。ヤスリがけしたい場所に合わせて自由に向きが変えられますし、曲面や凹凸にもフィットしやすいのがメリットです。また、耐水性のある紙ヤスリなら、パーツを水に濡らしながらヤスリがけができます。
プラモデル作りにおすすめなのは、老舗模型メーカー「タミヤ」の発売する「フィニッシングペーパー」です。ゲート跡の処理、接着剤の仕上げなど、プラモデルで必要なヤスリがけに幅広く対応しており、耐水性があるので水研ぎにも使えます。タミヤのフィニッシングペーパーには番手ごとにたくさん種類がありますが、400番と600番と1000番のセットがプラモデル作りによく使う番目のセットでおすすめです。
●スティックヤスリ
スティックヤスリとは、ヤスリの形状そのものがスティック型になっているヤスリです。スティックなので持ちやすく、手の延長のように自由に力が調整できます。プラモデル作りのような繊細な作業にぴったりのヤスリです。
スティックヤスリのおすすめは、「ウェーブ」の「ヤスリスティック」です。長さ85mm、幅10mm、厚さ3mmの硬質ヤスリがついており、エッジをシャープに処理したい時に重宝します。先が細くなっている「先細型」もあり、400番の番手の10枚セットです。
●スポンジヤスリ
スティックヤスリより柔らかいのがスポンジヤスリです。文字どおりスポンジなので、曲面にもぴったり沿って処理できます。ゲート跡の処理だけでなく、塗装後のつや消しにも便利です。
スポンジヤスリのおすすめは、プラモデル用ヤスリとして超メジャーな、ゴッドハンドの「神ヤス!」です。フレックスクロスというコバックス製のスポンジを採用したヤスリで、高い柔軟性とともに耐久性にも優れています。番手の異なるヤスリが何枚かセットになったものがあるので、お好みの組み合わせで一つ持っておくと重宝するでしょう。
●電動ヤスリ
ヤスリがけが面倒という方におすすめなのが電動ヤスリです。電気の力でヤスリ部分が自動で動くため、処理したい箇所に添えるだけで勝手に削ってくれます。これまで紹介したヤスリに比べると価格は高くなりますが、手が疲れず、作業時間の短縮にもなるので、これからずっとプラモデルを趣味にするつもりなら、持っておいて損はありません。
電動ヤスリのおすすめは、「GSIクレオス」の「Mr.ポリッシャーPRO」です。先端のアタッチメントが8種類あり、処理したい場所に応じて使い分けられます。交換用のヤスリシートも4種類ついていてお得です。
まとめ
上記のように、プラモデル用のヤスリにも多くの種類があります。どれを選べばよいかわからない場合は、金属と紙、もしくは、金属とスポンジなどの組み合わせで、2種類持っておくと安心でしょう。最初から高いものをそろえる必要はありません。安いもので試してみて、ご自身の用途にぴったりのものがわかったら、その種類のヤスリでいいものを買うとよいのではないでしょうか。