【保存版】フィギュアの素材一覧まとめ
この記事の目次
フィギュアの素材を一覧にして徹底解説しました。
市販されているフィギュアの素材は、各メーカーのモデルごとに異なります。PVC&ABS製と表記されているものがあれば、プラスチックと表記があるものまで。
どのような質感なのか、素材の違いを比較しながら、できればお手持ちのフィギュアの材質がどれに当てはまるのかをチェックし、扱い方などをチェックしてみてください。
最後には、フィギュアを自作する際におすすめの素材のことについても少し触れています。
市販のフィギュアに使われている素材の一覧
PVC
PVCはポリ塩化ビニール・塩化ビニル樹脂の略で、主に「PVC」と表記されたり、「塩ビ」と呼ばれたりしています。今現在最も普及しているフィギュア素材の一種で、店舗で市販されているフィギュアからプライズ品まで、こちらの素材名をよく目にするという場面が多いのではないでしょうか。
PVC樹脂は可塑剤(かそざい)という、材料に柔軟性を与えて加工をしやすくするための添加物質を加えることで、硬度が調整できる優れた素材です。硬さが調整できると折れたり千切れたりしにくくなることから、安心して手に取れるフィギュアであるということがメリットとして挙げられます。
透明性も再現できるので、フィギュアの素材として取り入れると、雰囲気を変えたり繊細なディティールも表現できる万能の素材と言えます。
メリットばかりが思い浮かぶ素材ではありますが、唯一デメリットを挙げるとすれば、時間の経過と共に可塑剤が表面に出てくる性質があること。表面を触るとベタベタするようになるので、PVCフィギュアをコレクションしている人の多くは、「中性洗剤で洗う」ことでフィギュアを綺麗に保っています。
ABS
ABSは、ポリスチレン・ブタジエン・アクリロニトリルの3つを混ぜて作られた樹脂素材です。加工性能の良さや光沢性が再現できることから、テレビや車など様々な工業製品に使用されています。
引っ張りや曲げといった外部からの衝撃に強く、耐熱性や耐寒性もあり、形状が安定しています。丈夫で長持ちという特性から、プラモデルで強度が必要なパーツに採用されることがあります。最近では3Dプリンターに使用する素材としても注目される傾向あり。
ABS素材のデメリットは、長時間の日光照射で劣化してしまうことや、可燃性があるという点です。
ポリレジン
ポリレジンは樹脂と石灰を混ぜたもの。PVCに近い精度の再現が可能であるものの、比較するとやや重く、硬い特徴があります。
シリコン型に樹脂を流し込み成型することでフィギュアが作られることから、金型の必要がなく、生産ロットが小さい場合に採用される傾向あり。
デメリットは、硬質であることから強い衝撃を加えると欠ける可能性がある点です。
ソフビ
ソフビ(ソフトビニール)と呼ばれるフィギュアも存在します。PVCとソフビの違いは何なのかというと、素材は主に同じですが、ソフビは「スラッシュ成型」と呼ばれる方法で作られており、中が空洞になった成形品のことを指します。
PVCは硬い素材に仕上げるのに対し、ソフビは指で押すと凹んですぐに戻ってくるような質感のフィギュアに仕上がるため、有名なものであればキューピー人形などがこのソフビ素材で作られていることで有名。
硬いPVC素材は金型代が高い分、リアルに再現が出来るというメリットがありますが、 ソフビ素材はPVC製に比べると再現度は低め。金型代のコストが抑えられるので、手頃な価格でフィギュアを作ることができるとされています。
PMMA
PMMAとは、ポリメチルメタクリレート樹脂を略した呼び方です。アクリル樹脂と呼ばれることもあり、PVCやABS同様、プラスチックのカテゴリーに含まれます。
3Dプリンター用樹脂として登場し、一部のフィギュアメーカーではこちらの素材を中心に素材として使用していることも。
ポリストーン
ポリストーンとは、高分子素材と石粉を混ぜることでつくられた素材です。プラスチックに近い精度と、石に近い重量感があるのが特徴。アクリル程度の硬さを持っており、加工はやや難しいとされています。
10万円前後の高価なフィギュアに用いられることが多く、つるっとしたアニメキャラというよりは、細部まで凹凸を施し、ジオラマまでつくり込んだような、リアリティあるモデルに採用されやすい傾向あり。
コールドキャスト
コールドキャストは、ポリストーンや炭酸カルシウム、石粉などを混ぜてキャスト成形した素材。プラスチックと石の中間のような材質で、持つと重量感があります。
レジンが成型時に発熱するのに対し、ポリストーンは発熱しないことから、コールドキャストと呼ばれています。
ただデメリットとして壊れやすい性質があることから、近年では製造量が減少傾向あり。数年前につくられたフィギュアであれば、コールドキャスト製に出会えるかもしれません。
レジンキャスト
レジンキャストは合成樹脂のことを指し、鋳型に流し込んで化学反応による硬化によって成型する素材です。無発泡ポリウレタン樹脂という、プラスチックの一種が使われているのが特徴。
ポリストーンは成型時に発熱しないのに対し、レジンは成型時に発熱します。ちなみに「キャスト」とは鋳造のことで、レジンキャストは形成しただけの、未塗装フィギュアとして売られていることがよくあります。
プラスチック
プラスチックとは、2022年の1月より、グッドスマイルカンパニーのフィギュアに使われている素材表記が「ABS&PVC塗装済み可動フィギュア」から「プラスチック製」へ変更されたことからきているもの。こちらは「プラスチック」という素材ではなく、素材の総称にあたります。
より再現性を追求した際に、素材を変更する可能性があるため、表記のみを変更し統一したとのこと。2022年の1月以降も、基本的な素材は今まで通りで製品が展開されています。
ダイキャスト
ダイキャストとは、アルミニウム、亜鉛、マグネシウムといった合金を高温で溶かし、金型に流し込んで鋳造したもののことを指します。
バンダイが展開しているメタルビルドやMETAL ROBOT魂の関節部に採用することで、重量感と強度をもたらします。当然ですが金属なので、ダイキャストを組み込んだフィギュアは、見た目の高級感はもちろん、持った時に重量感があります。
バビットメタル
バビットメタルは別名、ホワイトメタルとも呼ばれている、すべり軸受用の合金です。1839年にアイザック・バビットさんが発明したことで名がついた素材で、型に流し込んでフィギュアを形成します。
個人が自宅でも扱えるように素材で販売されており、金属系のフィギュアを自作する際にはこちらの素材が主に使われます。19世紀から20世紀前半にかけ、ヨーロッパで馴染みが合った「スズの兵隊」と呼ばれる玩具も、こちらの素材が使用されていました。
フィギュアを自作する際におすすめの素材
フィギュアを自作する場合は、主に「粘土」と書かれた素材で形成していく場合がほとんどです。アルミ芯でおよその形を作ったら、そこへ肉付けしていくという流れです。
粘土の種類はさまざまで、フィギュアには「石粉粘土」と呼ばれる粘土がよく使われています。石粉粘土は、石を粉状にしたものに接着剤の役割を果たす薬品を混ぜたもの。しっかり乾燥させた後は削ることができるので、形成後は削って形を整えます。
更には乾いた後からでも水で濡らすとまた形成し直せるので、フィギュアの自作を試みている方にはおすすめの素材でしょう。
似たような名前で「石塑粘土」という粘土も存在しますが、これらはメーカーの違いで、ほとんど素材に差はありません。ただし石塑粘土は、フィギュアというよりは球体間接人形などドール制作者に好まれる傾向が見られます。
まとめ
今回はフィギュアの素材に関してまとめました。
今後もフィギュアに関する記事を投稿していきますので、楽しみにお待ち下さい。